話し合いでは諸条件がネックになって離婚に同意してもらえない、そのような場合がけっこうあります。多くは条件が
合わなくてもどちらか又は双方が譲歩して同意に至りますが、先に示した通り、離婚数全体の10%は同意に至らず家庭
裁判所で調停を行っています。ここでは調停の申立及び調停を進める上での注意点について説明します。
@ 調停の申立
調停の申立手続については裁判所HPに詳細が記載されています。
正式名称を「夫婦関係調整調停」と言い、離婚を望む場合と、夫婦関係の修復を望む場合に分かれています。上記のリンクで示
されているのは離婚を望む場合の手続です。
調停の申立をすると、しばらくして夫婦双方宛にそれぞれ家庭裁判所からの呼出状が届きます。夫婦は呼出状に従って、指定され
た日時に家庭裁判所の調停室に出向きます。
A 調停の進行
調停は、裁判官である家事調停官と民間から選ばれた家事調停委員とが夫婦双方の言い分を聞き、中立の立場から、双方が納
得のいく適切な合意案をあっせんするものです。
通常、離婚調停は月1回の頻度で3回程度を目安に終了します。一般的にはこれで調停案に合意できれば調停調書が発行さ
れ、離婚届と併せて役場に提出すれば離婚が成立します。しかし、調停案に合意できなければ調停は不成立になり、離婚訴訟
を起こして離婚が認められるか、妥協して協議離婚に切り替えるかしない限りは離婚することができません。
ただし、調停の途中でも、早く離婚を認めた方が双方のためによいと誰もが考える状況であるにもかかわらず、夫婦どちらか一方
が条件にこだわり続けて調停が成立しないで長期化すると、家事調停官が職権で審判に切り替え、審判離婚を申し渡します。
B 調停離婚の注意点
1、調停は、夫婦双方の主張の違いを話し合うことにより摺り合わせ双方が妥協できる着地点を見出す場です。夫婦双方の主張
をぶつけ合って争う場ではありません。
2、話し合っていくうちに我を忘れて何が言いたいのかわからなくなってしまう場合があります。話し合いには冷静さが一番大切で
す。調停委員にも冷静さを失った姿は心証が悪く映ります。
3、主張すべきことは、証拠があれば証拠に基づき簡潔に、かつ論理的・客観的に述べることが大切です。調停委員には主観に
基づく主張や同情を誘う言動は通用しません。
4、調停によって双方が納得することができ離婚の合意が成立し、調停委員会が離婚するのが妥当と認めた場合には、調停は成
立します。調停の成立により、裁判官である家事審判官が調停条項を読み上げ、夫婦双方に確認させます。このとき、誤りがあれ
ば訂正してもらい、欠けている内容があれば必ず追加訂正してもらいます。調停調書に記載がないことは調停で決まったことに
なりませんから、調停条項の読み上げ内容をしっかり確認します。成立後は変更できません。
5、調停が成立した後、その内容に異議を申立てることはできません。調停が成立したときは、その調停の調停調書が作成された
時点で離婚が成立します。