@ 概要
次の援護を図るために必要な事業を行います。
・被災労働者の療養生活
・被災労働者の受ける介護
・被災労働者の遺族の就学
・被災労働者及びその遺族が必要とする資金の貸付
・その他被災労働者及びその遺族の援護
A主な内容
・特別支給金の支給…保険給付に上乗せして支給
・休業補償特別援護金の支給…休業3日目までの休業補償について事業主に請求できない者に支給
・労災就学等援護費の支給…学費の支弁が困難なものに支給
・年金担保資金の貸付(独立行政法人福祉医療機構が行う)
B一般の特別支給金
特別支給金には、給付基礎日額を基にする一般の特別支給金と、賞与を基にするボーナス特別支給金があります。詳細は下表のようになっています。
保険給付 |
特別支給金 |
一般の支給金 |
ボーナス特別支給金 |
休業(補償)給付 |
休業特別支給金 |
なし |
傷病(補償)給付 |
傷病特別支給金 |
傷病特別年金 |
障害(補償)年金 |
障害特別支給金 |
障害特別年金 |
障害(補償)一時金 |
障害特別一時金 |
障害(補償)年金差額一時金 |
なし |
障害特別年金差額一時金 |
遺族(補償)年金 |
遺族特別一時金 |
遺族特別年金 |
遺族(補償)一時金 |
遺族特別一時金 |
1、休業特別支給金
(1)支給要件
ア、労働者が業務上、又は通勤中の傷病による療養が必要なこと
イ、療養のために労働することができないこと
ウ、労働できないために賃金を受けることができない日が3日以上あること(待期期間) |
(2)支給額
1日につき、休業給付基礎日額の20%
(3)請求手続
休業(補償)給付の請求の際に、併せて請求します。
2、傷病特別支給金
(1)支給要件・支給額
ア、傷病が治癒していないこと
イ、傷病による障害の程度が下記1級から3級に該当し、傷病(補償)年金を受給すること
第1級 |
常時介護を要する程度 |
114万円 |
第2級 |
随時介護を要する程度 |
107万円 |
第3級 |
常態として労務不能 |
100万円 |
※傷病特別支給金は、一時金として支給されます。 |
3、障害特別支給金
(1)支給要件
障害(補償)給付を受ける者に支給されます。
(2)支給額
障害等級に応じて、下表の金額を一時金として支給します。
等級 |
支給額 |
等級 |
支給額 |
第1級 |
342万円 |
第8級 |
65万円 |
第2級 |
320万円 |
第9級 |
50万円 |
第3級 |
300万円 |
第10級 |
39万円 |
第4級 |
264万円 |
第11級 |
29万円 |
第5級 |
225万円 |
第12級 |
20万円 |
第6級 |
192万円 |
第13級 |
14万円 |
第7級 |
159万円 |
第14級 |
8万円 |
※傷病特別支給金を受給した後、障害等級に該当し、障害特別支給金を受給する場合には、障害特別支給金の方が既に受給した傷病特別支給金より多い場合に限って、その差額が支給されます。
4、遺族特別支給金
(1)支給要件
遺族(補償)給付の受給権者である遺族に対し、遺族(補償)給付の受給順位により、その申請に基づいて支給されます。
(2)支給額
一時金として300万円(受給権者が複数の場合は人数で按分した額)
C ボーナス特別支給金
1、算定基礎年額
(1)原則
傷病発生・死亡の日以前1年前にその労働者に対して支払われた賞与などの特別給与(3か月超ごとに支払われる賃金)の総額とします。
(2)例外
原則の額が、ア・イの額を超える場合は、ア又はイのいずれか低い額とします。
ア、給付基礎日額×365×20%
イ、150万円
また、これらの方法で算定基礎年額を算定することが不適当であると認められる場合は、厚生労働省労働基準局長が定める基準に従って算定した額を算定基礎年額とします。
3か月超ごとに支払われる賃金に該当する賃金の支払いがない場合は、ボーナス特別支給金は支給されません。
2、算定基礎日額
算定基礎年額を365で割った金額とします。1円未満は切り上げます。
3、傷病特別年金
傷病(補償)年金の受給権者に対し、その申請に基づいて支給されます。
第1級 |
算定基礎日額の313日分/年 |
第2級 |
算定基礎日額の277日分/年 |
第3級 |
算定基礎日額の245日分/年 |
4、障害特別年金・障害特別一時金
障害(補償)年金や障害(補償)一時金の受給権者に対し、その申請に基づいて支給されます。
障害特別年金の額 |
障害特別一時金の額 |
第1級 |
算定基礎日額の313日分/年 |
第8級 |
算定基礎日額の503日分 |
第2級 |
算定基礎日額の277日分/年 |
第9級 |
算定基礎日額の391日分 |
第3級 |
算定基礎日額の245日分/年 |
第10級 |
算定基礎日額の302日分 |
第4級 |
算定基礎日額の213日分/年 |
第11級 |
算定基礎日額の223日分 |
第5級 |
算定基礎日額の184日分/年 |
第12級 |
算定基礎日額の156日分 |
第6級 |
算定基礎日額の156日分/年 |
第13級 |
算定基礎日額の101日分 |
第7級 |
算定基礎日額の131日分/年 |
第14級 |
算定基礎日額の56日分 |
5、障害特別年金差額一時金
障害(補償)年金差額一時金の受給権者に対し、その申請に基づいて支給されます。
等級 |
最低保障額 |
第1級 |
算定基礎日額の1,340日分 |
第2級 |
算定基礎日額の1,190日分 |
第3級 |
算定基礎日額の1,050日分 |
第4級 |
算定基礎日額の920日分 |
第5級 |
算定基礎日額の790日分 |
第6級 |
算定基礎日額の670日分 |
第7級 |
算定基礎日額の560日分 |
6、遺族特別年金
遺族(補償)年金の受給権者に対し、その申請に基づいて支給されます。
人数 |
年金額 |
1人 |
原則:算定基礎日額の153日分 |
例外:受給権者が妻で、55歳以上又は一定の障害状態にある者は算定基礎日額の175日分 |
2人 |
算定基礎日額の201日分 |
3人 |
算定基礎日額の223日分 |
4人 |
算定基礎日額の245日分 |
7、遺族特別一時金
遺族(補償)一時金の受給権者に対し、その申請に基づいて支給されます。
支給要件 |
支給額 |
@ |
労働者の死亡当時、遺族(補償)年金の受給権者となる者がいないとき |
算定基礎日額の1,000日分 |
A |
遺族(補償)年金の受給権者が全て失権し、他に受給資格者がいない上、受給済の遺族特別年金の合計額が最低保障額に満たないとき |
算定基礎日額の1,000日分から受給済の額を控除した額 |
|