1-2、災害保険給付(介護・予防給付) |
高齢化・核家族化で、被災して重度の障害を負った労働者は家族の介護を十分受けることが困難になっている一方で、業者の介護サービスを受ければ費用がかさむことから、平成8年の改正で介護も保険給付に加えられました。 また、予防給付は業務上の事由による脳血管疾患や心疾患が増加傾向にあることから、二次健康診断等給付として平成13年に加えられました。 |
@ 介護(補償)給付 1、支給要件 次の全ての要件に該当する労働者の請求により支給します。 ただし、次の施設に入所している場合は介護(補償)給付は支給されません。 2、支給額と支給期間 介護(補償)給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が下表のように定めています。 3、請求手続 (1)障害(補償)年金の受給権者 →障害(補償)年金の請求と同時に又は請求後に行わなければなりません。介護補償給付・介護給付支給請求書(様式第16号の2の2)に、医師等の診断書と介護に要した費用の額の証明書(支出がない場合は不要)を添付して、労働基準監督署に提出します。 (2)傷病(補償)年金の受給権者 →労働基準監督署長の職権による傷病(補償)年金の支給決定を受けた後に行います。提出書類は(1)と同じです。 A 二次健康診断等給付 二次健康診断等給付は、業務災害の予防給付として行われるもので、通勤災害には適用がありません。 1、支給要件 労働安全衛生法第66条に定める定期健康診断のうち直近のもの(一次健康診断)において、血圧・血液検査その他業務上の事由による脳血管疾患及び心疾患の発生に関わる身体の状態に関する下記の検査において、以上の所見があると診断されたときに、その労働者に対してその請求に基づいて行います。 ただし、一次健康診断の段階で脳血管疾患又は心疾患の症状を有すると認められる者には二次健康診断等給付は行いません。 2、給付の範囲 二次健康診断等給付の範囲は、健診給付病院等において行われる二次健康診断及び特定保健指導があります。 (1)二次健康診断 脳血管及び心臓の状態を把握するための必要な検査であって、厚生労働省令で定めるものを行う医師による健康診断を指します。1年度につき1回限り受診できます。 受診手続は、一次健康診断受診日から3か月以内に、二次健康診断等給付請求書(様式第16号の10の2)に一次健康診断の結果の写しを添付して、健診給付病院等を経由して、所轄の都道府県労働局長に提出します。ただし、天災や一次健康診断の結果の通知が実施機関の都合により著しく遅延した場合は3か月を過ぎてもよいことになっています。 (2)特定保健指導 二次健康診断を受診した者のうち、脳血管疾患又は心疾患の症状を有するとは認められなかった者について、それら疾患の予防を図るため、医師又は保健師との面接により行われる保健指導を指します。二次健康診断ごとに1回行われます。 (3)事後措置 ア、二次健康診断を受診した労働者から、その受診日から3か月以内に結果を証明する書面の提出を受けた事業主は、労働者の健康を保持するために必要な措置について、その書面が提出された日から2か月以内に医師の意見を聞かなければなりません。 イ、事業主は医師から聴取した意見を労働安全衛生法に規定する健康診断個人票に記載しなければなりません。 |