育児は子どもが1歳になったら終わり、というわけでは当然ありません。広い意味では子どもが独り立ちするまで、最低でも子どもが小学校に入学するまでは育児は続きます。特に小学校入学前の子どもには何かと手がかかるため、育児・介護休業法では、その歳の子どもをもつ労働者に対する労働条件の配慮の義務・努力義務を設けています。 |
@ 所定外労働の制限(育児介護休業法第16条の8) 使用者は、 場合は、その労働者を所定労働時間を超えて労働させてはいけません。 ただし、制限期間は次に掲げる事由が生じた場合は、その日に終了します。 1、次の事由の発生により、子の養育をすることがなくなったこと (1)子の死亡 (2)子が養子である場合は離縁又は縁組取消 (3)休業している労働者が負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、子を養育することができなくなった 2、終了予定日前日までに子が3歳に到達した場合 3、終了予定日までに次の子の産前産後休業又は育児休業、もしくは他の家族の介護休業が始まった場合 A 時間外労働の制限(同法第17条) 使用者は、労働基準法第36条に基づく三六協定が締結されている事業所において、小学校入学前の子を養育する労働者で、下記のいずれにも該当しない者が、開始日の1か月前までに請求したときは、その労働者について制限時間を超えて労働時間を延長してはいけません。 (1)引き続き雇用された期間が1年未満の者 (2)配偶者が常態として子を養育することができる者(妻(夫)が専業主婦(主夫)である場合等) (3)週の所定労働日数が2日以下の者 〇制限時間 →1か月あたり24時間、1年につき150時間 B 深夜業の制限(同法第19条) 使用者は、小学校入学前の子を養育する労働者で、下記のいずれにも該当しない者が、開始日の1か月前までに請求したときは、その労働者について22時から5時までの時間帯は労働させてはいけません。 (1)引き続き雇用された期間が1年未満の者 (2)深夜において常態として子を保育することができる同居の家族等がいる者 (3)週の所定労働日数が2日以下の者 C 子の看護休暇(同法第16条の2、3) 小学校入学前の子を養育する労働者は、1年度(特段の定めがないときは4月1日から翌年3月31日)に5労働日(対象の子が2人いるときは10労働日、以下1人につき5労働日追加)を限度として、傷病を負った子の世話を行うための休暇(子の看護休暇)を取得することができます。 使用者は、労働者の子の看護休暇の申出を拒むことはできません。 ただし、例外として労使協定の締結により、 (1)引き続き雇用された期間が6か月に満たない者 (2)週の所定労働日数が2日以下の者 等の申出については拒むことができるようになります。 D 使用者が講ずべき措置 1、育児休業に関する定めの周知(同法第21条) 使用者は、育児休業について次の事項を定め、労働者に周知させるための措置を講じるよう努めなければなりません。 (1)労働者の育児休業における待遇 (2)育児休業後における賃金、配置その他の労働条件 (3)育児休業の中途終了事由(「育児休業」E例外)に該当した場合の、労働者の労務の提供の開始時期 2、所定労働時間の短縮措置(同法第23条) 使用者は、次の年齢に該当する子を養育する労働者について措置を講ずるものとしています。 (1)子の年齢が0〜1歳(延長の場合は1歳6か月)の場合 →育児休業を取得しない者について、所定労働時間短縮等の措置を講じなければならない (2)子の年齢が1歳〜3歳の場合 →育児休業に準ずる措置又は所定労働時間短縮等の措置を講じなければならない (3)この年齢が3歳〜小学校入学前までの場合 →育児休業に準ずる措置又は所定労働時間短縮等の措置を講じるよう努めなければならない 3、労働者の配置に関する配慮(同法第26条) 使用者は、労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育の状況に配慮しなければなりません。 4、再雇用特別措置(同法第27条) 使用者は、妊娠、出産もしくは育児を理由として退職した者について、必要に応じ、退職の際に、その就業が可能となったときにその事業所への再雇用の希望を有する旨の申出をしていた者について、使用者が労働者の募集又は採用に当たって特別の配慮をする措置をすること(再雇用特別措置)その他これに準ずる措置を実施するよう努めなければなりません。 5、不利益取り扱いの禁止(同法第16条の4・9、18条の2、20条の2) 使用者は、前述の@〜Cの制限適用や休暇取得の請求をしたことを理由に、その労働者に対して不利益な取り扱いをしてはいけません。
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