社会保険労務士 五藤事務所

                               健康保険の負担

健康保険料率は、政管健保の最後は標準報酬月額の8.2%(労使折半、以下同じ)でした。それが平成21年に政管健保が協会けんぽに変わり、平成22年4月には保険料率が一気に1%以上上がり、全国平均9.34%になり、さらに平成23年4月には9.50%まで上がりました。この原因は、医療費が右肩上がりなのに対して、被保険者の賃金が低下し保険料収入が減少しているためです。今後の医療保険政策次第では、保険料率が10%の大台に乗る日もそう遠くはありません。
@ 協会けんぽの保険料率
協会けんぽの保険料率は、各都道府県支部ごとに定められています。平成23年度の保険料率は下表のようになっています。
北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県
9.60% 9.51% 9.45% 9.50% 9.54% 9.45% 9.47% 9.44% 9.47% 9.47%
埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県
9.45% 9.44% 9.48% 9.49% 9.43% 9.44% 9.52% 9.50% 9.46% 9.39%
岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
9.50% 9.43% 9.48% 9.48% 9.48% 9.50% 9.56% 9.52% 9.52% 9.51%
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県
9.48% 9.51% 9.55% 9.53% 9.54% 9.56% 9.57% 9.51% 9.55% 9.58%
佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 全国平均    9.50%
 9.60% 9.53% 9.55% 9.57% 9.50% 9.51% 9.49%
なお、40歳以上65歳未満の被保険者は、介護保険第2号被保険者にも該当するので、この料率に加え、介護保険料率として全国一律1.51%が加算され併せて保険料を徴収されます。

A 健康保険の保険料
健康保険被保険者は、毎月人それぞれ異なる保険料が給料から天引きされています。
健康保険の保険料は、どのようにして決めるのでしょう?
1、標準報酬月額・標準賞与額
総務・経理の部署では、毎年7月を前にすると、各従業員の4〜6月の給料を集計してある書類を作成します。それを7月1日から10日までの間に年金事務所に提出すると、標準報酬月額が決定します。
要は、
4月〜6月までの給料を合計して平均額(報酬月額)を算出し、表(PDF)に当てはめて標準報酬月額を算出する、という作業を行っているのです。例えば、報酬月額が315,000円の人は、標準報酬月額が320,000円になります。
通常は、この作業により標準報酬月額を決定し、
その年の9月の保険料から適用します。
また、賞与が支給された場合は、賞与の支給総額の1,000円未満を切り捨てて標準賞与額とします。

2、保険料の求め方
次の人を例にとって、保険料の求め方を見てみましょう。
<条件>35歳、愛知県在住、健保協会愛知支部管轄の会社に勤務、4〜6月の給与総支給額は下表のとおり。
支給月 総支給額 報酬月額 標準報酬月額 計算式 保険料額
4月 300,000円 295,000円 300,000円 (標準報酬月額) × (保険料率)÷2300,000円×9.48%÷2
(÷2は労使折半のため)
14,220円
/月
5月 275,000円
6月 310,000円
賞与 354,800円 標準賞与額→ 354,000円 354,000円×9.48%÷2 16,780円
※たとえ勤務地が東京都であっても、会社の本社が愛知県の場合は愛知県の保険料率が適用されます。

B 任意継続被保険者
退職日直前に2か月以上継続して被保険者期間がある人は、会社を退職した後、健康保険被保険者資格喪失日から20日以内に、住所地を管轄する健保協会支部に申請することによって、「任意継続被保険者」の資格を取得できます。
一般被保険者とは異なり、任意継続被保険者は保険料を労使折半できませんから、
保険料は全額自己負担することになります。ただし、標準報酬月額は全国の被保険者の平均である28万円が上限として適用されます。
ですから、上記の例の人の場合、任意継続の保険料は
280,000円×9.48%=26,544円/月
になります。

退職後の医療保険の選択肢には、この任意継続被保険者と国民健康保険加入者の2通りがあります。よく、「どちらが得ですか?」と問い合わせをする人がいるようですが、別に述べる「
国民健康保険の負担」に示す計算式と併せて比較検討すればすぐに判明する話です。
そんな計算はよくわからない、またはそんなことは面倒くさくてしたくない、という方は、当事務所にて詳しい試算をして回答いたします。ご希望の方は、必要なデータ等の提供をお願いしますので、下記リンクの「相談したい」からご連絡ください。

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