行政書士 五藤事務所

相続の決まり
大切な人がお亡くなりになったとき、嘆き悲しむのは至極当然のことですが、それもそこそこに、遺された者の責務として故人がお亡くなりになった後の諸手続をしなければなりません。その一つが相続です。ここでは、相続の大まかな流れを示し、それぞれの簡単な注意点を挙げていきます。
@ 死後の諸手続
相続のお話の前に、一個人がお亡くなりになったときの諸手続のあらましについておさらいしておきましょう。
諸手続きは下記の4つに分類されます(死亡届関係は当然提出すべきものなので割愛します)。
1、名義変更・契約解除手続
2、公的保険等資格喪失手続
3、年金等給付金請求手続
4、その他手続
故人の財産(資産(正の財産)・借金(負の財産)いずれも)をそのまま継承(単純承認)する場合と全く継承しない(相続放棄)場合とでは少々手続が異なりますので、ここでは単純承認をする場合で話を進めます。

1、名義変更・契約解除手続
電気・ガス・水道等のライフライン関係が故人名義であったり、故人名義のクレジットカード契約や各種会員契約等の契約があった場合は、継承する又は継承できる場合は相続人名義に変更し、継承しない又はできない場合は契約解除をしなければなりません。
一番最後の銀行口座の凍結は最重要項目です。相続が完了するまで死亡時の状態を保持しておかず、勝手に相続人等が預貯金を引き出すと円滑な相続手続に支障が出てしまいます。
世帯主変更届 14日以内 市区町村役場・支所
電気・ガス・水道の契約 できるだけ早く 各電力・ガス会社、水道事業者(市町村等)
固定電話(NTTの場合)の契約 できるだけ早く インターネットで書類ダウンロード後、郵送
携帯電話の契約 できるだけ早く docomoauSoftBank各社HPから
インターネットのプロバイダ契約 できるだけ早く プロバイダ各社へ(場合によりNTTで取次可)
賃貸の住居の場合の賃貸借契約 早急に 賃貸借物件の大家又は管理受託会社へ
NHKの受信契約 できるだけ早く 名義変更はコチラ、契約解除は0120-151515
各種敬老パス(優待券) できるだけ早く 各発行者に返却
各種会員カード契約 できるだけ早く 各契約者に返却、会費清算
クレジットカード・ローンカード契約 早急に 各カード会社に連絡、その後の指示を仰ぐ
金銭消費貸借契約(借金) 早急に 本来は内容証明郵便等で債務者変更通知が必要だが、まずは貸主に連絡する
銀行口座の取引停止(凍結)手続 大至急 各取引銀行・信用金庫等
名義変更の場合はその原因が契約者死亡であるため、契約先によっては、戸籍謄本、死亡診断書、継承者本人確認書類等が必要になります。

2、公的保険等資格喪失手続
故人が加入していた年金・共済や健康保険、認定を受けていた身体障害者手帳、その他故人本人固有の書類や資格証明及びそれに基づく会員証等に関する手続きとして、資格喪失届や会員死亡届等を提出しなければなりません。
年金手帳(被保険者資格喪失) 14日以内 市区町村役場・支所又は年金事務所
年金証書(受給権喪失、年金支給停止) 14日以内 故人の最後の住所地を管轄する年金事務所
国民健康保険証 14日以内 市区町村役場・支所又は国保組合
協会けんぽ・健保組合等の健康保険証 5日以内 故人の勤務先に返却
勤務先の身分証明書、ICカード等貸与物 速やかに
身体障害者手帳 できるだけ早く 市区町村役場・支所又は社会福祉事務所
パスポート できるだけ早く 都道府県旅券事務所に返却(希望すれば形見の品として返却しなくてもよい)
運転免許証 できるだけ早く 警察署に返却
医師・弁護士・行政書士等公的資格に基づく職業についていたとき 速やかに 所属会(〇〇医師会等)に連絡し、登録抹消、資格・免許返納などにつき指示を仰ぐ
1か月以内 後継ぎがいない場合廃業届を税務署・市区町村役場・支所及び都道府県税事務所に提出
3、年金等給付金請求手続
未支給の年金・保険給付、生命保険金等は相続財産にはならないことがほとんどですが、請求・入金の段階で相続財産と混同しないよう、注意が必要です。
(各種年金)未支給年金の請求 2年以内 市区町村役場・年金事務所・共済組合等
(各種年金)遺族年金の裁定請求 5年以内
(健康保険)埋葬料・葬祭費の請求 2年以内 市区町村役場・けんぽ協会・健保組合等
(健康保険)高額療養費等未支給保険給付の請求
(労災保険)遺族(補償)給付・葬祭料・葬祭給付の請求、未支給保険給付請求 5年以内 故人の勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署
心身障害者扶養年金の請求 速やかに 市区町村役場・支所又は社会福祉事務所
死亡・医療その他保険金の請求 2年以内 生命保険会社・共済組合等(まずは連絡)
自賠責保険金の請求 2年以内 加入する損害保険会社(まずは連絡)
未払い給与等の請求 速やかに 故人の勤務先
死亡退職金・慶弔見舞金の請求
4、その他手続
各種手続の締めの作業として、税務署への申告及び個人の所有物の所有権移転(又は消失)の手続が必要です。また、死別により夫婦関係が終了するときは、遺された配偶者の選択により苗字を旧姓に戻したり、故人の親族との関係を絶ったり、子の苗字の変更も行わなければならないこともあります。
故人の所得税の準確定申告 死後4か月以内 故人の最後の住所を管轄する税務署
相続税の申告・納付 死後10か月以内 相続人の住所を管轄する税務署
不動産の所有権移転登記 できるだけ早く 不動産の所在地を管轄する登記所(法務局)
(普通)自動車の所有権移転・廃車手続 できるだけ早く 相続人の住所を管轄する陸運局
軽自動車の所有権移転・廃車手続 できるだけ早く 相続人の住所を管轄する軽自動車検査協会
原付バイクの所有権移転・廃車手続 できるだけ早く 市区町村役場・支所
銀行口座の凍結解除・名義変更 遺産分割協議後 各取引銀行・信用金庫等
株式・債権その他有価証券の名義変更 遺産分割協議後 各証券会社・債権引受機関等
復氏届(旧姓に戻りたいとき) 随時 市区町村役場・支所
姻族関係終了届(同上) 随時 市区町村役場・支所
子の氏の変更許可申請 随時 子の住所地を管轄する家庭裁判所

ご家族がお亡くなりになった直後は通夜・葬儀・初七日等、葬祭に追われる日々で当然相続・手続どころではないですが、国・市町村への届出のように期限が決められているものや、できるだけ早く行わなければ不利益を被る手続もありますご家族がお亡くなりになった場合の対応のご相談は、遺言・相続含めて当事務所にお任せください。丁寧に漏れなく手続させていただき、円滑に継承が終了するようお手伝いいたします。ご希望の方は下記リンク「相談したい!」からお問い合わせください。

A 相続の流れ
相続の大まかな流れは、下図のようになっています。
ここでは、遺言相続、法定相続それぞれの共通事項について触れ、それぞれの独自の手続については別途説明します。

1、遺言書の有無の確認
被相続人が死亡した後、相続に関連して最初にしなければならないことは遺言書の有無の確認です。遺言書があるとないとでは、相続の作業が大きく変わってきます。
被相続人の生前に遺言書の有無を確認しておくのも、作業を迅速に進める一つの手段でしょう。

2、相続人の確定
法定相続人は、民法第900条の規定により、
(1)配偶者と子
(2)配偶者と直系尊属
(3)配偶者と兄弟姉妹
と、優先順位が付けられていますが、被相続人より先に法定相続人が死亡しているときは原則として代襲相続ができるため、子であれば孫、兄弟姉妹であれば甥・姪の存在を確認することが必要になります。
推定相続人の存在を確認するためには、被相続人の除籍謄本、戸籍謄本、改製原戸籍までさかのぼって該当者を探し出し、その者の戸籍謄本及び戸籍の附票を取り寄せ、現住所を確認することになります。

推定相続人を全員探し出すことができたら、次にその者が、
(1)相続放棄を希望している又はすでにしているか
(2)相続欠格者(民法第891条)に該当するか
(3)相続廃除者(民法第892条)に該当するか
を確認し、該当する者は推定相続人から除外して相続人を確定します。
なお、相続廃除は遺言によってもすることができるため、遺言書が存在する場合は遺言書の内容に相続廃除者の明記があるかどうかを確認することが必要です。
相続人の欠格事由(民法第891条)
次に掲げる者は、相続人となることができない。
一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
推定相続人の廃除(民法第892条)
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
3、相続財産の確定
相続人を確定したところで、どこにどんな財産がどれだけあるのかわからなければ分割のしようがありませんから、財産の種類ごとに資料を収集して財産目録を作成する必要があります。
財産の種類は、大まかに下表のように分類することができます。
資産(正の財産) 動産 預貯金・有価証券等
長期債権・死亡保険金・個人年金等
高級品・調度品・骨董品
自動車、家具、クーラー等の一般動産
不動産 土地・建物の所有権
土地・建物の賃貸借権その他権利
負債(負の財産) 長期債務 住宅ローン・ローン会社からの借入金等
短期債務 未払いの税金・医療費その他料金等

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